トップ
>
『塩花』
ふりがな文庫
『
塩花
(
しおばな
)
』
爪の先を、鑢で丹念にみがきながら、山口専次郎は快心の微笑を浮かべた。 ——盲目的に恋する者はいざ知らず、意識的に恋をする者は……。 この、意識的に恋をするという自覚が、なにか誇らしいものと感ぜられたのである。そして今や、それにふさわしいだけ …
著者
豊島与志雄
ジャンル
文学 > 日本文学 > 小説 物語
初出
「世界」1946(昭和21)年2月
文字種別
新字新仮名
読書目安時間
約25分(500文字/分)
朗読目安時間
約42分(300文字/分)