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『擬体』
ふりがな文庫
『
擬体
(
ぎたい
)
』
退社間際になって、青木は、ちょっと居残ってくれるようにと石村から言われて、自席に残った。同僚が退出した後の事務室は、空気までも冷え冷えとしてきた感じで、眼を慰めるものとてない。壁に懸ってる地図だのカレンダーだの怪しげな版画だの、毎日見馴れて …
著者
豊島与志雄
ジャンル
文学 > 日本文学 > 小説 物語
初出
「新潮」1952(昭和27)年6月
文字種別
新字新仮名
読書目安時間
約25分(500文字/分)
朗読目安時間
約41分(300文字/分)