『絶縁体（ぜつえんたい）』
市木さんといえば、近所の人たちはたいてい知っていた。それも、近所づきあいをするとか、気軽に話しかけるとか、いうのではなかった。また、市木さんが世間的に有名だからでもなかった。往来で出逢って、会釈し合うこともなかった。だが、市木さんという名前 …
著者豊島与志雄
ジャンル文学 > 日本文学 > 小説 物語
初出「世界」1952（昭和27）年3月
文字種別新字新仮名
読書目安時間約38分（500文字/分）
朗読目安時間約1時間3分（300文字/分）