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『広場のベンチ』
ふりがな文庫
『
広場のベンチ
(
ひろばのベンチ
)
』
公園と言うには余りに狭く、街路に面した一種の広場で、そこの、篠懸の木の根本に、ベンチが一つ置かれていた。重い曇り空から、細雨が粗らに落ちていて、木斛の葉も柳の葉も、夾竹桃の茂みも、しっとり濡れていたが、篠懸の葉下のベンチはまだ乾いていた。 …
著者
豊島与志雄
ジャンル
文学 > 日本文学 > 小説 物語
初出
「文芸」1951(昭和26)年9月
文字種別
新字新仮名
読書目安時間
約14分(500文字/分)
朗読目安時間
約24分(300文字/分)