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『狸石』
ふりがな文庫
『
狸石
(
たぬきいし
)
』
戦災の焼跡の一隅に、大きな石が立っていた。海底から出たと思われる普通の青石だが、風雨に曝されて黒ずみ、小さな凹みには苔が生えていた。高さ十尺ばかり、のっぺりした丸みをなしていて、下部を地中に埋め、茶釜大の丸石で囲んであった。その石全体の恰好 …
著者
豊島与志雄
ジャンル
文学 > 日本文学 > 小説 物語
初出
「中央公論 文芸特集」1952(昭和27)年10月
文字種別
新字新仮名
読書目安時間
約7分(500文字/分)
朗読目安時間
約12分(300文字/分)