太宰治との一日だざいおさむとのいちにち
昭和二十三年四月二十五日、日曜日の、午後のこと、電話があった。 「太宰ですが、これから伺っても、宜しいでしょうか。」 声の主は、太宰自身でなく、さっちゃんだ。——さっちゃんというのは、吾々の間の呼び名で、本名は山崎富栄さん。 日曜日はたいて …