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『幻覚記』
ふりがな文庫
『
幻覚記
(
げんかくき
)
』
筑後川右岸の、平坦な沃野である。消く水を湛えた川べりに、高い堤防があって、真直に続いている。堤防の両側には、葦や篠笹が茂っていて、堤防上の道路にまで蔽いかぶさり、昼間も薄暗く、夜は不気味である。 その堤防の上を、まだ夜明け前の頃、私は母と二 …
著者
豊島与志雄
ジャンル
文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆
文字種別
新字新仮名
読書目安時間
約10分(500文字/分)
朗読目安時間
約16分(300文字/分)