愉快な話ゆかいなはなし
愉快な話というものは、なかなかないものだ。殊に事実談になると猶更である。事実談は、どんな愉快な面貌を具えていても、どこかに一脈の憂愁を湛えている。現実というものが、本質的にそう佗びしいものであるか、或は現実に対する吾々の感性が、現実をそう佗 …