トップ
>
『奇怪な話』
ふりがな文庫
『
奇怪な話
(
きかいなはなし
)
』
私の故郷の村中に、ちょっと無気味な隘路がある。両側は丈余の崖で、崖上には灌木や竹が生い茂り、年経た大木が立並んで空を蔽い、終日陽の光を見ることなく、真昼間でさえ薄暗く、肌寒い空気が湛えている。隘路の地面は妙に湿っぽく、落ち散った木の葉がじめ …
著者
豊島与志雄
ジャンル
文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆
文字種別
新字新仮名
読書目安時間
約15分(500文字/分)
朗読目安時間
約24分(300文字/分)