奇怪な話きかいなはなし
私の故郷の村中に、ちょっと無気味な隘路がある。両側は丈余の崖で、崖上には灌木や竹が生い茂り、年経た大木が立並んで空を蔽い、終日陽の光を見ることなく、真昼間でさえ薄暗く、肌寒い空気が湛えている。隘路の地面は妙に湿っぽく、落ち散った木の葉がじめ …