美醜びしゅう
夏の夜、私の書斎は、冬の夜よりも賑かだ。開け放した窓から、灯を慕って、多くの虫が飛びこんできて、乱舞する。電灯を中心に、天井、床、机、私の身体など、所嫌わず、飛び廻る。 虫を嫌う友人などは、そうした私の書斎に、眉を顰める。が私は、一二の人間 …