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『父の形見』
ふりがな文庫
『
父の形見
(
ちちのかたみ
)
』
正夫よ、君はいま濃霧のなかにいる。眼をつぶってじっとしていると、古い漢詩の句が君の唇に浮んでくるだろう。幼い頃、父の口からじかに君が聞き覚えたものだ。 その頃君の父は、土地の思惑売買に失敗し、更に家運挽回のための相場に失敗し、広い邸宅を去っ …
著者
豊島与志雄
ジャンル
文学 > 日本文学 > 小説 物語
初出
「行動」1934(昭和9)年10月
文字種別
新字新仮名
読書目安時間
約14分(500文字/分)
朗読目安時間
約23分(300文字/分)
作品に特徴的な語句
矩子
(
のりこ
)