埃及雑記エジプトざっき
埃及の入口ポートセイドの騷々しい港に船を降りて、一望百里鹽澤の外、何者も眼の前に見えない茫漠たる景色に接した私と倉田君とは、何處にナイルの恩惠たる黒土の埃及が横つてゐるかを疑つたのである。これは丁度二十年前、私が太沽の沖合に船が著いて、何處 …
作品に特徴的な語句
黒土カムト