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『盲腸』
ふりがな文庫
『
盲腸
(
もうちょう
)
』
Fは口から血を吐いた。Mは盲腸炎で腹を切つた。Hは鼻毛を抜いた痕から丹毒に浸入された。此の三つの報告を、彼は同時に耳に入れると、痔が突発して血を流した。彼は三つの不幸の輪の中で血を流しながら頭を上げると、さてどつちへ行かうかとうろうろした。 …
著者
横光利一
ジャンル
文学 > 日本文学 > 小説 物語
初出
「文藝時代」1927(昭和2)年4月1日発行、第4巻第4号
文字種別
新字旧仮名
読書目安時間
約4分(500文字/分)
朗読目安時間
約6分(300文字/分)