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『冬の女』
ふりがな文庫
『
冬の女
(
ふゆのおんな
)
』
女が一人籬(まがき)を越してぼんやりと隣家の庭を眺めてゐる。庭には数輪の寒菊が地の上を這ひながら乱れてゐた。掃き寄せられた朽葉の下からは煙が空に昇つてゐる。 「何を考へていらつしやるんです。」と彼女に一言訊ねてみるが良い。 彼女は袖口を胸に …
著者
横光利一
ジャンル
文学 > 日本文学 > 小説 物語
初出
「改造」1924(大正13)年12月1日発行、第6巻第12号
文字種別
新字旧仮名
読書目安時間
約3分(500文字/分)
朗読目安時間
約5分(300文字/分)