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『しらくちの花』
ふりがな文庫
『
しらくちの花
(
しらくちのはな
)
』
明治卅六年の秋のはじめに自分は三島から箱根の山越をしたことがある。箱根村に近づいて来た頃霧が自分の周囲を罩(こ)めた。霧は微細なる水球の状態をなして目前を流れる。冷かさが汗の肌にしみ/″\と感じた。段々行くと皿程の大さの白いものが其霧の中に …
著者
長塚節
ジャンル
文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆
文字種別
新字旧仮名
読書目安時間
約13分(500文字/分)
朗読目安時間
約21分(300文字/分)