文化生産者としての自覚ぶんかせいさんしゃとしてのじかく
谷崎潤一郎の小説に「卍」という作品がある。その本が一冊千円で売られる話をきいた。小売店では、いくらなんでもとあやぶんでいたところ案外に買手がある。今時の金は、ある所にはあるものだ、という驚きとむすびつけて話された。荷風もよく売れる。谷崎や荷 …