或る心持よい夕方あるこころもちよいゆうがた
或る心持のよい夕方、日比谷公園の樹の繁みの間で、若葉楓の梢を眺めていたら、どこからともなくラジオの声が流れて来た。職業紹介であった。 ずっと歩いて行って見たら、空地に向った高いところに、満州国からの貴賓を迎えるため赤や緑で装飾された拡声機が …