『含蓄ある歳月(がんちくあるさいげつ):野上弥生子さんへの手紙(のがみやえこさんへのてがみ)』
初めてあなたのお書きになるものを読んだのは、昔、読売新聞にあなたが「二人の小さいヴァガボンド」という小説を発表なさったときであり、その頃私は女学校の上級生で、きわめて粗雑ながら子供の心理の輪廓などを教わっていた時分のことでした。もうそれから …