観念性と抒情性かんねんせいとじょじょうせい伊藤整氏『街と村』についていとうせいし『まちとむら』について
あるがままの姿は決して心理でもなければ諷刺でもない 伊藤整氏の近著『街と村』という小説集は、おなじ街や村と云っても、作者にとってはただの街や村の姿ではなく、それぞれに幽鬼の街、幽鬼の村である。これまでの自身の中途半端な人生のくらしかたが、そ …