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『犯罪』
ふりがな文庫
『
犯罪
(
つみ
)
』
私は寂しくなつて茫然と空でも見詰めてゐる時には、よく無意識に彼女の啼声を口笛で真似てゐた。すると下の鳥籠の中から彼女のふけり声が楽しく聞えて来る。で、私もつい面白くなつてそれに応へたり誘つたりする。其中に面倒臭くなると彼女を放つたらかしてお …
著者
横光利一
ジャンル
文学 > 日本文学 > 小説 物語
初出
「萬朝報」萬朝報社、1917(大正6)年10月29日
文字種別
新字旧仮名
読書目安時間
約5分(500文字/分)
朗読目安時間
約8分(300文字/分)