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『一つの出来事』
ふりがな文庫
『
一つの出来事
(
ひとつのできごと
)
』
二階の夫婦が、貸間ありという札を出した。これは決して珍らしいことではない。この湖畔の小村では、夏になると附近の都会から多勢の避暑客が家族連れで来るので、大抵の家は二間三間宛よぶんな部屋を拵えて、夏場に金を儲ける工夫をしている。六月も中頃にな …
著者
宮本百合子
ジャンル
文学 > 日本文学 > 小説 物語
初出
「大観」1919(大正8)年11月号
文字種別
新字新仮名
読書目安時間
約22分(500文字/分)
朗読目安時間
約37分(300文字/分)