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『午市』
ふりがな文庫
『
午市
(
うまいち
)
』
おせいの坐っている左手に、三尺程の高窓が、広く往来に向いて開いていた。そこから、折々、まるで川風のようにしめりを含んだ涼しい風が、流れて来る。 「まあ、いい風」 彼女は、首をめぐらして、軒端に近く、房々と葉を垂れている大きな柳を眺めながら、 …
著者
宮本百合子
ジャンル
文学 > 日本文学 > 小説 物語
初出
「婦人公論」1922(大正11)年4月号
文字種別
新字新仮名
読書目安時間
約17分(500文字/分)
朗読目安時間
約28分(300文字/分)