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『部屋』
ふりがな文庫
『
部屋
(
へや
)
』
二階受持のさをが、障子の陰から半分顔を出し、小さい声で囁いた。 「一寸、百代さん、来て御覧なさい」 机に向って宿題をしていた百代は、子供らしく下からさをを見上げた。 「なあに」 さをは、障子紙に銀杏返しの鬢を擦る程首を廻して玄関の方へ気を配 …
著者
宮本百合子
ジャンル
文学 > 日本文学 > 小説 物語
初出
「文芸春秋」1926(大正15)年7月号
文字種別
新字新仮名
読書目安時間
約10分(500文字/分)
朗読目安時間
約17分(300文字/分)