七階の住人ななかいのじゅうにん
「お早う」 ミセス・コムプスンが入って来た。 「今日は御部屋ですか」 彼女は、亜麻色の髪を古風な束髪にし、雑使婦そっくりな藍縞の服に長い前垂をしめている。 「お早う……」 伸子は、丁度襟(カラー)をつけかけていた衣服を両腕ですくいあげながら …