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『山吹町の殺人』
ふりがな文庫
『
山吹町の殺人
(
やまぶきちょうのさつじん
)
』
男の顔にはすっかり血の気(け)が失(う)せていた。ふらふら起(た)ち上(あが)って台所へ歩いてゆく姿は、まるで幽霊のようだった。出来るだけ物音をたてないように用心しながら、彼はそっと水道の栓(せん)をねじって、左手の掌(てのひら)にべっとり …
著者
平林初之輔
ジャンル
文学 > 日本文学 > 小説 物語
初出
「新青年」1927(昭和2)年1月号
文字種別
新字新仮名
読書目安時間
約38分(500文字/分)
朗読目安時間
約1時間2分(300文字/分)