怱卒そうそつ)” の例文
一朝一夕に思いついたところは微塵みじんといえどもないのである。彼の文学は怱卒そうそつな現代に於て味読に価する最も意味の深遠な作品と言えよう。
「鷹」 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
丁度烏賊いかが、敵をおそれて、逃げるときに厭な墨汁を吐き出すように、この男も出鱈目でたらめな、その場限りの、遁辞とんじを並べながら、怱卒そうそつとして帰って行った。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)