“急心”の読み方と例文
読み方割合
せきごころ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
えりから寒くなって起きて出た。が、寝ぬくもりの冷めないうち、早くかわやへと思う急心せきごころに、向う見ずにドアを押した。
鷭狩 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
急心せきごころに草をじた欣七郎は、歓喜天の御堂より先に、たとえば孤屋ひとつや縁外えんそとの欠けた手水鉢ちょうずばちに、ぐったりとあごをつけて、朽木の台にひざまずいて縋った、青ざめた幽霊を見た。
怨霊借用 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
急心せきごころかっとなって、おののく膝をいて、ぐい、と手を懸ける、とぐったりしたかいなが柔かに動いて、脇明わきあけすべった手尖てさきが胸へかかった処を、ずッと膝を入れて横抱きにいだき上げると
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)