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御供
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おそなえ
ふりがな文庫
“
御供
(
おそなえ
)” の例文
千代子はそのなかで、例の
御供
(
おそなえ
)
に似てふっくらと
膨
(
ふく
)
らんだ宵子の
頭蓋骨
(
ずがいこつ
)
が、生きていた時そのままの姿で残っているのを認めて急に
手帛
(
ハンケチ
)
を口に
銜
(
くわ
)
えた。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「最早お前さんも子供では無いから、三度々々
御茶受
(
おちゃうけ
)
は出しませんよ」なぞと言いながらも、
矢張
(
やっぱり
)
子供の時分と同じように水天宮の
御供
(
おそなえ
)
の
御下
(
おさが
)
りだの
塩煎餅
(
しおせんべい
)
だのを分けてくれた。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
その柳が、遠くに
煙
(
けむ
)
るように見えるんです。その上に東山が——東山でしたね奇麗な
丸
(
まある
)
い山は——あの山が、青い
御供
(
おそなえ
)
のように、こんもりと
霞
(
かす
)
んでるんです。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そう持つのではないと叱られると、きっと
御供
(
おそなえ
)
のような平たい頭を
傾
(
かし
)
げて、こう? こう? と聞き直した。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
宵子の頭は
御供
(
おそなえ
)
のように平らに丸く開いていた。彼女は短かい手をやっとその御供の
片隅
(
かたすみ
)
へ乗せて、リボンの
端
(
はじ
)
を抑えながら、母のいる所までよたよた歩いて来て、イボンイボンと云った。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
宗助も二尺余りの細い松を買って、門の柱に
釘付
(
くぎづけ
)
にした。それから大きな赤い
橙
(
だいだい
)
を
御供
(
おそなえ
)
の上に
載
(
の
)
せて、床の間に
据
(
す
)
えた。床にはいかがわしい
墨画
(
すみえ
)
の梅が、
蛤
(
はまぐり
)
の
格好
(
かっこう
)
をした月を
吐
(
は
)
いてかかっていた。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
御
常用漢字
中学
部首:⼻
12画
供
常用漢字
小6
部首:⼈
8画
“御供”で始まる語句
御供物
御供養
御供水
御供所
御供揃
御供頭
御供衆
御供人
御供仕
御供寮