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鼠坂
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ねずみざか
ふりがな文庫
“
鼠坂
(
ねずみざか
)” の例文
「それから取っ組み合いが始まったが、恐ろしく強い野郎で、その上
匕首
(
あいくち
)
を持ってやがる。
切尖
(
きっさき
)
を
除
(
よ
)
けるはずみに、
鼠坂
(
ねずみざか
)
を
逆落
(
さかおと
)
しだ」
銭形平次捕物控:148 彦徳の面
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
小日向
(
こびなた
)
から
音羽
(
おとわ
)
へ降りる
鼠坂
(
ねずみざか
)
と云う坂がある。鼠でなくては上がり降りが出来ないと云う意味で附けた名だそうだ。
鼠坂
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
居住者として町をながめるのもその春かぎりだろうか、そんな心持ちで私は
鼠坂
(
ねずみざか
)
のほうへと歩いた。毎年のように
椿
(
つばき
)
の花をつける静かな坂道がそこにある。
嵐
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
その鼠は、あの
敏捷
(
びんしょう
)
さをもってしても、このぬらぬらした急坂を駈けのぼることができないで、
徒
(
いたずら
)
にあえいでいる——これが
鼠坂
(
ねずみざか
)
という名のついたいわれであった。
西湖の屍人
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「そう言えば、
鼠坂
(
ねずみざか
)
の
椿
(
つばき
)
が咲いていたよ。今にもうおれの家の庭へも春がやって来るよ。」
嵐
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
小石川
(
こいしかわ
)
の
音羽
(
おとわ
)
に近く、
鼠坂
(
ねずみざか
)
という有名な坂があった。その坂は、音羽の方から、
小日向台町
(
こひなただいまち
)
の方へ向って、登り坂となっているのであるが、道幅が二メートルほどの至って狭い坂だった。
西湖の屍人
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
私が五十日あまりの病床から身を起こして、発病以来初めての
風呂
(
ふろ
)
を浴びに、
鼠坂
(
ねずみざか
)
から
森元町
(
もりもとちょう
)
の湯屋まで静かに歩いた時、
兄弟
(
きょうだい
)
二人
(
ふたり
)
とも心配して私のからだを洗いについて来たくらいだ。
嵐
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
それは、いつか
鼠坂
(
ねずみざか
)
の
心霊
(
しんれい
)
実験会で逢い、それからのち、真夜中の銀座裏で
突飛
(
とっぴ
)
な質問を浴せかけたあの神田仁太郎という怪青年に瓜二つの顔だったから。しかし、あれは日本での出来ごとだった。
西湖の屍人
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
鼠
漢検準1級
部首:⿏
13画
坂
常用漢字
小3
部首:⼟
7画
“鼠”で始まる語句
鼠
鼠色
鼠賊
鼠骨
鼠不入
鼠小僧
鼠木綿
鼠捕
鼠甲斐絹
鼠鳴