鶸茶ひわちゃ)” の例文
単衣は、鶸茶ひわちゃにけまんを浮かせたあの厚手の吉野。帯は、コイペルのゴブランにして、西洋の香水は慎しんで、沈香の心材に筏を彫った帯止だけにしておく。
猪鹿蝶 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
白茶しらちゃ御納戸茶おなんどちゃ黄柄茶きがらちゃ燻茶ふすべちゃ焦茶こげちゃ媚茶こびちゃ千歳茶ちとせちゃなどがあり、色をもつ対象のがわから名附けたものには、鶯茶うぐいすちゃ鶸茶ひわちゃ鳶色とびいろ煤竹色すすだけいろ、銀煤色、栗色、栗梅、栗皮茶、丁子茶ちょうじちゃ素海松茶すみるちゃあい海松茶
「いき」の構造 (新字新仮名) / 九鬼周造(著)
四時に迎えを出すことにして、家へ帰って、こちらはすぐ着付……長襦袢は朱鷺とき色縮緬の古代霞のぼかし。単衣は、鶸茶ひわちゃにけまんを浮かせたあの厚手の吉野。
姦(かしまし) (新字新仮名) / 久生十蘭(著)