“焦茶”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こげちゃ81.0%
こげちや19.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
敷布団は厚い郡内ぐんないを二枚重ねたらしい。ちりさえ立たぬ敷布シートなめらかに敷き詰めた下から、あら格子こうしの黄と焦茶こげちゃが一本ずつ見える。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
焦茶こげちゃと赤の貝の模様です。だめかしら。あたし、趣味が低いのね。でも、口金の所と貝の口の所が、金色で細くいろどられて、捨てたものでもないの。
俗天使 (新字新仮名) / 太宰治(著)
今は夕靄ゆふもやの群が千曲川ちくまがはの対岸をめて、高社山かうしやざん一帯の山脈も暗く沈んだ。西の空は急に深い焦茶こげちや色に変つたかと思ふと、やがて落ちて行く秋の日が最後の反射をに投げた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
彼は焦茶こげちやいろの鳥打ち帽をかぶり、妙にぢつと目を据ゑたまま、ハンドルの上へ身をかがめてゐた。僕はふと彼の顔に姉の夫の顔を感じ、彼の目の前へ来ないうちに横の小みちへはひることにした。
歯車 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)