こけら)” の例文
今まで七十年の間当然と思って看過していたことが、決して当然でも必然でもない。彼はからこけらの落ちた思がした。
文字禍 (新字新仮名) / 中島敦(著)
町人は煙草たばこを吸いつけて、尾籠びくの中をのぞきこんだ。尾籠の底には、魚のこけらもなかった。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
第二の童子 それで身の丈が一丈をも超えて、手の甲にこけらが生えておぢやるさうぢや。
南蛮寺門前 (新字旧仮名) / 木下杢太郎(著)