“鰯売”の読み方と例文
旧字:鰯賣
読み方割合
いわしうり100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
大方(おおかた)河岸(かし)から一筋(ひとすじ)に来たのであろう。おもてには威勢のいい鰯売(いわしうり)が、江戸中へ響(ひび)けとばかり、洗ったような声を振り立てていた。
歌麿懺悔:江戸名人伝 (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
紫の雲の、本願寺の屋の棟にかかるのは引接(いんじょう)の果報ある善男善女でないと拝まれない。が紅の霞はその時節にここを通る鰯売(いわしうり)鯖売(さばうり)も誰知らないものはない。
瓜の涙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
静かな郊外に住慣れたお雪の耳には、種々な物売の声が賑(にぎや)かに聞えて来た。勇ましい鰯売(いわしうり)の呼声、豆腐屋の喇叭(らっぱ)、歯入屋の鼓、その他郊外で聞かれなかったようなものが、家の前を通る。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)