“鬆(す)” の例文
この火加減(ひかげん)がむずかしいものでお湯がグラグラ沸立(にえた)つとプデンへ鬆(す)が出来ますから弱火(とろび)で気長に四十分間位湯煮(ゆで)なければなりません。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
青や赤の縞になつたのをこつきり噛み折つて吸つてみると鬆(す)のなかから甘い風が出る。いちばん好きなのは肉桂棒といふのだつた。
銀の匙 (新字旧仮名) / 中勘助(著)
火が強過ぎて湯が沸騰するとプデンに鬆(す)が立ち味悪し。ブリキ型のなき時は茶筒の蓋へ入れ上から布巾をかけて湯煮てもよし。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
家で製したパンでもあるいは買ったパンでも新しい内は水分が鬆(す)の中に籠っていて胃液の滲入(しんにゅう)を妨げますから新しいパンは多く焼いて食べます。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
新しいパンは水分が多くって鬆(す)の中へ水分が充ちているから胃中へ入った時胃液が滲入(しんにゅう)しないで消化が悪い。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
... 少しお入れなさい。長く煮ても決して鬆(す)が立ちません。普通(なみ)のお豆腐でも絹漉(きぬごし)のように柔くなります」妻君「オヤそうですか、私どもでは湯豆腐をします時曹達(そうだ)か塩を ...
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
大根を干すのにただ縄へ釣るして寒い晩に出しておくと水分が凍って大根へ鬆(す)が立ちますが五、六本ずつ葉を括(くく)って生きた立木の枝へ掛けておきますと決して凍りません。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)