はじ)” の例文
ツバキの名はこの葉が厚いから厚葉木アツバキの意でそのはじめのアが略せられたものだといい、また光沢があるに基いた名ともいわれている。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
介の藤原尚範も印鑰いんやくを奪はれて終つた。十九日国庁に入り、四門の陣を固めて、将門をはじめ興世王、藤原玄茂等堂〻と居流れた。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
はじ息子せがれ長三郎にもはなしたるに息子は然もこそあらんと思ひ夫婦はしきり麁忽そこつ再度ふたゝび婚姻を結んとて翌日忠兵衞を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
私は今でも白痴的な女に妙にかれるのだが、これがその現実に於けるはじまりで、私は恋情とか、胸の火だとか、そういうものは自覚せず、極めて冷静に
風と光と二十の私と (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
アリストテレスは彼の『メタフュジカ』のはじめにおいて学問を次のように規定している。
科学批判の課題 (新字新仮名) / 三木清(著)
いくら剣術の空っ下手な(情人たるお国がはじめのほうでしきりにそうなげいている!)
将門はもと検非違使佐けびゐしのすけたらんことを求めて得ず、憤をいだいて郷に帰り、遂に禍をはじむるのみ、後に興世おきよを得て始めて僣称せんしようす。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
眞直まつすぐに護國寺はじ波切不動なみきりふどうへ參詣て田圃道を緩々ゆる/\王子へ行可しとて小川町へとかゝりけるに和吉は大きにのぞみ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
日本画においてはじめに四君子しくんしさえよくおぼえ込んだらのちのあらゆる絵画にはその手法が織り込まれているから容易たやすいというのと同じで、笑う序、破、急、怒る序、破、急、くさる序、破
始め露国の植物学者シュミット氏がそれを研究してはじめて Petasites giganteus, Fr. Schmidt なる学名を公にした。昭和十一年から五十三年前である。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
『正像末和讃』のはじめには次の讃歌が掲げられてある。
親鸞 (新字新仮名) / 三木清(著)