風防かぜよ)” の例文
忍川しのぶがわという角の茶屋——外から見ると静かそうな二階があるので、三枚橋を渡ってそこへ入ろうとすると、辻に一本の枯柳があって、柳と細竹に風防かぜよけを廻し、掛行燈かけあんどん算木さんぎを書いた大道易者。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かかる好都合の処はないとて、嘉与吉と二人で、その下の小石を取り除けて左右に積み、風防かぜよけとし、居を平にならす、フ氏と嘉門次は、偃松の枝を採りて火をける、これでどうやら宿れそうだ。
穂高岳槍ヶ岳縦走記 (新字新仮名) / 鵜殿正雄(著)