“掛行燈”のいろいろな読み方と例文
新字:掛行灯
読み方割合
かけあんどん70.6%
かけあんどう29.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「……あの、こちらは、宿屋ではないんでしょうか。路地の入口に、はたごと書いた掛行燈かけあんどんが見えたので、はいって来たんですけれど」
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
屋台の正面を横に見せた、両方の柱を白木綿で巻立てたは寂しいが、左右へ渡して紅金巾べにがなきんをひらりと釣った、下に横長な掛行燈かけあんどん
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
掛行燈かけあんどうが赤く火を入れて、帰り遅れた馬の鈴が、だんだん近くなつて来るなんぞは、手もなく浮世画の雪景色よ。
鼠小僧次郎吉 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
その混雑のあいだに一軒の虫売りが市松障子いちまつしょうじの家台をおろしている。松虫、鈴虫、草雲雀くさひばりのたぐいが掛行燈かけあんどうの下に声をそろえて鳴く。ガチャガチャ虫がひときわ高く鳴き立てている。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)