風見かざみ)” の例文
これがお前さん一人の事なら風見かざみからすみたように高くばッかり止まッて、食うや食わずにいようといまいとそりゃアもうどうなりと御勝手次第サ
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
ことにその建物は、塔といい、歩廊といい、窓の枠飾りといい、つばめの尾の形をした風見かざみにいたるまで、すべていちじるしい特長を示していました。
風見かざみの上に、ムクドリのオスがすわって、大声でさえずっていました。その声は、ナシの木の巣箱すばこの中で、卵をだいているメスにまでよく聞こえました。
しばらくすると、毛布の下にかがまっていた子供は、そっと顔をのぞき出す。屋根の上には風見かざみきしっている。といからは点滴しずくがたれている。御告みつげいのりの鐘が鳴る。
おそらくは彼等によって、文壇の風見かざみが変るだろう。そして我々のあまりに鎖国的な、あまりに島国的な文壇思潮が、もっと大陸的な世界線の上に出てくるだろう。
詩の原理 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
「飛天夜叉めは手下の一人、風見かざみ袈裟太郎けさたろうと申す者をつれて、忍び込んだと申しますことで」
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
もう一人は風見かざみの鶏だつた。これはびつくりしたやうに、ぎいぎいさをの上に啼きまはつた。
LOS CAPRICHOS (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
ごていしゅの像がほんの風見かざみのにわとり代りにつかわれていました。その風見は、小屋の戸にくっついていて、ごていしゅの風見がくるりくるりするとおりに、あいたりとじたりしました。
あのからす風見かざみのある屋根の高い家の中に一人の画家がいるはずだ。
燕と王子 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
夜をこめて風見かざみのきしりさびしさの身にむ空となりにけるかな
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
闇の空で、屋根の風見かざみがカラカラと気ぜわしく鳴っていた。
キャラコさん:05 鴎 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
風見かざみからすがくるりと廻って
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
風にせはしい風見かざみとり
展望 (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
と、廊下には細作係かんじゃがかりの、風見かざみの袈裟太郎が額に汗かき、大息ついてかしこまっていたが
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
颶風が吹き来たって、わめきたち、風見かざみきしらせ、屋根のかわらを飛ばし、家を震わした。花瓶かびんが一つ落ちてこわれた。クリストフの室の締まりの悪い窓は音をたてて開いた。熱い風が吹き込んだ。
株の風見かざみがくるくるまはる。
緑の種子 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
と、赤坂の城からぬけ出して来た、風見かざみ袈裟太郎けさたろうが注進に及んだ。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ミンナの庭に立ち並んだ大木の間に、風の吹き過ぎる音が聞えていた。空は真暗だった。街路には通る人もなかった。冷たい雨が落ち始めていた。風見かざみがきしっていた。隣りの家で子供が泣いていた。
かぶ風見かざみがくるくるまはる。
とんぼの眼玉 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
屋根の風見かざみか、矢ぐるま
風見 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
屋根やね風見かざみ
とんぼの眼玉 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)