“顕然”のいろいろな読み方と例文
旧字:顯然
読み方割合
けんぜん46.7%
まざまざ20.0%
あらたか6.7%
あらわ6.7%
ありあり6.7%
ちやん6.7%
はつきり6.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そしてその大きな推移に逆らう者は、必ず汚名と悲運をこうむって、時代の外へ影を没して亡んでしまうことも顕然けんぜんとした事実であった。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
キリキリと二三遍廻ったという今聞いた話が胸に浮ぶと、そのキリキリと廻ったポチの姿が、顕然まざまざと目に見えるような気がする。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「なんということをするだね? そんなことするとばちが当たりますぜ。おまえさん。大明神の顕然あらたかなのを知りなさらんのかね?」
或る部落の五つの話 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
霜威そうい凜冽りんれつたる冬の夜に、見る目も寒く水を浴びしとおぼしくて、真白の単衣ひとえは濡紙を貼りたる如く、よれよれに手足にまといて、全身の肉附は顕然あらわに透きて見えぬ。
黒壁 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
私は何も洒落しやれに貴下方のお話を聴かうと云ふのぢやありません、可うございますか、顕然ちやんと聴くだけの覚悟を持つて聴くのです。さあ、お話し下さい!
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
丑松は顕然はつきりと其人を思ひ浮べることが出来なかつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)