面色いろ)” の例文
ここでの別荘の怪談を残らず打明うちあけると、主人あるじもおどろいて面色いろを変えて、霎時しばしことばもなかったが、やがて大息ついて
画工と幽霊 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
まあまあ此方こちへといざなえば、ずっと通って火鉢の前に無遠慮の大胡坐おおあぐらかき、汲んで出さるる桜湯を半分ばかり飲み干してお吉の顔を視、面色いろが悪いがどうかしたか、源太はどこぞへ行ったのか
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
面色いろが悪いが何様かした歟、源太は何所ぞへ行つたの歟、定めしもう聴たであらうが清吉めが詰らぬ事を仕出来しての、それ故一寸話があつて来たが、むゝ左様か、既十兵衞がところへ行つたと
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)