面皮めんかわ)” の例文
『これ、そこの職人、おまえの鑿は、ぞんざいで不可いかぬ。数寄屋普請すきやぶしんをしたことがないのか、面皮めんかわの柱に、そんな安普請のような雑な仕事をしてくれては困る』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
仲居の持つ手燭てしょくは、仲居の白い息を見せながら、飴色あめいろつやのでている面皮めんかわの柱をいくつも曲がって、狭い廊下をこのの奥へと跫音あしおともなく先へ歩いて行くのだった。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)