“零砕”の読み方と例文
読み方割合
れいさい100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
電車会社の慰謝金はなぜか百円そこそこの零砕れいさいな金一封で、その大半は暇をとることになった見習弟子にくれてやる肚だった。
(新字新仮名) / 織田作之助(著)
昔から今日に至るまで、あらゆる本は、何んな零砕れいさいな本でも、小冊子でも、すべて人間生活の状態の『あらはれ』である。従つて、そこからも多くの知識が得られる。
小説新論 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
同時に多くのイズムは、零砕れいさいの類例が、比較的緻密ちみつな頭脳に濾過ろかされて凝結ぎょうけつした時に取る一種の形である。形といわんよりはむしろ輪廓りんかくである。中味なかみのないものである。
イズムの功過 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)