雇主やといぬし)” の例文
自分のような、何処といって取柄のない人間を、大金を出して雇ってくれている雇主やといぬしは世にも有り難い人であると、彼はいつも心から感謝していた。
犠牲者 (新字新仮名) / 平林初之輔(著)
雇主やといぬしのはなしによると、謄写した書物は限定せられた会員だけに配布するので検挙のおそれはない。
ひかげの花 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
それで夏冬の仕着しきせ雇主やといぬしより与える物でございます。
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
翌日、もう日吉は、次の雇主やといぬしの所へ行っていた。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)