“隠匿”のいろいろな読み方と例文
旧字:隱匿
読み方割合
いんとく56.9%
かくま25.5%
かく9.8%
かくまい3.9%
かくし2.0%
かくまっ2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
現在種子の名義になっている動産ならびに不動産は犯人が検挙せられる以前合法的に隠匿いんとくした私財の一部であるのかも知れない。
ひかげの花 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
隠匿かくまっておく事だ。この部屋の半分だけ俺に貸しておくれよ。俺は長椅子の上へ寝りゃたくさんだから、それからおれに必要なものを
水晶の栓 (新字新仮名) / モーリス・ルブラン(著)
自分はそっとこの革包かばん私宅たくの横に積である材木の間に、しかも巧に隠匿かくして、紙幣さつの一束を懐中して素知らぬ顔をしてうちに入った。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「は、はい、通りがかりの者でございますが……不意の斬合きりあいで……ここへ逃込みましたが……お願いでございます……どうぞ暫くお隠匿かくまい……」
甲州鎮撫隊 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
宝物の隠匿かくし場所ばかりが、今も荏原屋敷のどこかにあるという、そういうこともお姉様には、伝説として聞いて知っていますわねえ。
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
同類が許さんからとて生埋いきうめにしたるを山三郎が掘出したるが、今は上総の天神山の松屋に隠匿かくまってある、此の事について過日より自分も心配致して