くら)” の例文
月の光も山のくらくなれば、今はとて戸をてて入らんとするに、八五ただる、おぼろなる八六黒影かげろひの中に人ありて、八七風のまにまにるをあやしと見れば赤穴宗右衛門なり。
ドオデエも「風車小屋だより」のなかにかいておいた、あのいなごの大群。……こいつは、まつたくあれに似た凄じさだ。天日をくらくして薨々とむらがり飛ぶ、斯螽。索々と鳴る、その翅音。
(新字旧仮名) / 高祖保(著)