閃々きら/\)” の例文
と、時々とき/″\そのなかから、くろ拔出ぬけだして、跫音あしおとしづめてて、かどとほりすぎるかとすれば、閃々きら/\すゝきのやうなものがひかつてえる。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
まばらな鎮守の森をとほして、閃々きら/\する燈火の影が二つ三つ見え出した頃には、月がすでにその美しい姿を高社山の黒い偉大なる姿の上にあらはして居て
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
尾谷川の閃々きら/\と夕日にかゞやく激湍げきたんや、三ツ峯の牛のたやうに低く長くつらなつて居る翠微すゐびや、なほ少し遠く上州境の山が深紫の色になつてつらなわたつて居る有様や、ことに、高社山かうしやざんすぐれた姿が
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)