長台詞ながぜりふ)” の例文
旧字:長臺詞
リユイ・ブラスが「其れは自分が君を恋慕ふからだ。それは自分がすべての嫉妬を感じてるからだ」云云うん/\と云ふ長台詞ながぜりふの段に成つて
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
いかほど悲しい事つらい事があっても、それをば決してのサラ・ベルナアルの長台詞ながぜりふのようには弁じ立てず、薄暗い行燈あんどうのかげに「今頃は半七はんしちさん」の節廻しそのまま
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
この長台詞ながぜりふの最後のことばを結ぶと、彼はすっかり自分で自分に満足してしまって、さきほどまでの癇癪かんしゃくは跡形もなく消え失せたのである。彼は再び真底から人間に対する愛を感じていた。
決闘の負傷によつ絶入たへいる迄の昂張かうちやうした最後の一幕の長台詞ながぜりふくまで醇化して森厳しんげんの気に満ち、一秒のすきらせず演じる名優は仏国に二人ふたりと見いだし難いと思つた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)