長上下なががみしも)” の例文
たづさへて相隨あひしたがひ山内伊賀亮には黒羽二重くろはぶたへ袷小袖あはせこそで柿染かきぞめ長上下なががみしもその外赤川大膳藤井左京さきやう皆々麻上下にてつゞいて隨ひ來る其行粧そのぎやうさう威風ゐふう堂々だう/\として四邊を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
あい長上下なががみしも、黄の熨斗目のしめ、小刀をたしなみ、持扇もちおうぎで、舞台で名のった——脊の低い、肩の四角な、堅くなったか、かんのせいか、首のややかしいだアドである。
木の子説法 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
馬廻うままわり以上は長上下なががみしも徒士かち半上下はんがみしもである。下々しもじもの者は御香奠ごこうでんを拝領する。
阿部一族 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
烏帽子えぼし直垂ひたたれ着けたるもの、太郎冠者たろうかじゃあり、大名あり、長上下なががみしもを着たるもの、髪結いたるあり、垂れたるあり、十八九をかしらにて七歳ななつばかりのしのぶまで、七八人ぞたちならべる。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
長上下なががみしもは、脇座にとぼんとして、ただ首の横ざまに傾きまさるのみである。
木の子説法 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)