“鋳鉄”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いもの40.0%
しゅてつ20.0%
ちゅうてつ20.0%
てつ20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
左側に御手洗、金燈籠、石燈籠、狛犬こまいぬが左右に建ち並んで、それから拝殿のひさしの下にくっつくようになって天水桶があった。その天水桶は鋳鉄いものであった。
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
大いなる山、大いなる空、千里をけ抜ける野分、八方を包む煙り、鋳鉄しゅてつ咽喉のんどからえて飛ぶたま——これらの前にはいかなる偉人も偉人として認められぬ。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
鋳鉄ちゅうてつの階段や、ピカピカ光る真鍮や、マホガニイや、絨毯で飾られた豪奢ごうしゃな邸宅の中で、読みかけの本に向って欠伸をしながら
鋳鉄てつ小板こざねがキラキラと閃めき、長劔が鞍にあたつて音を立てる。兜が揺れあがり、口髭は黒ずみ、両眼は瞑られて、睫毛が伏さつてゐる——彼はまどろんだまま、夢うつつで手綱を握つてゐるのだ。