鉢植はちうゑ)” の例文
鉄斎翁はそれを聞くと、早速扇子に鉢植はちうゑの蘭を書いてくれた。よくよく相手が気に入つたと見えて、いつもよりは蘭の花を一つ沢山にき添へてゐた。
が、てよ。……玄關口げんくわんぐちで、躑躅つゝじ鉢植はちうゑ吃驚びつくりするやうでは——がらだからとほしはしまいが——上壇じやうだんで、金屏風きんびやうぶで、牡丹ぼたんると、をまはすに相違さうゐない。
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)